子ども歯ならび歯科矯正GPO小児コース修了blog

2017年7月30日(日)

歯科矯正の勉強会であるGPO(General Practitioner’s  Orthodontics)の小児コースの2日目に参加し、修了いたしました。

吹田北千里 歯ならび改善マウスピース矯正 こうつ歯科・矯正歯科のブログです。

私自身、成人における矯正治療する際、その目的を

1、顔貌の審美

2、口腔内の審美

3、清掃性(虫歯、歯周病の予防)

4、ご飯を美味しく食べるため

5、力から歯や補綴物を守るため(歯のLongevityのため、バーチカルストップやアンテリアガイダンスを良好にする)

に分けて考えています。

成人の場合

「患者さんが矯正治療をしてほしいと言ってきたから」

でも十分矯正治療を行う理由になりますが、なぜその患者が矯正治療を望んでいるのかは大切であり、

もし、審美改善が目的であれば、

本当に矯正治療でその患者の審美が改善されるのか、

顔貌の改善も望んでいるのか、

矯正治療なしで改善はできないのか、を考えます。

もし、叢生が原因で虫歯になりやすいと思って矯正治療を望んでいる患者がいるならば、

矯正で虫歯が予防できるエビデンスはないこと、でも、実際は虫歯予防につながること、しかし、矯正治療中は虫歯のリスクが高くなることを伝える必要があります。

そもそも、矯正をする前に唾液検査や食事の質問表、フッ素の使用状況を問診してその患者の虫歯のリスクを確認し、プラークコントロールの徹底、食生活指導を行い、本当に矯正してまで虫歯の予防が必要なのかを考えたいです。

フロスをしっかりできるのであれば、叢生のままでもいいと思っています。

審美改善も同時にあれば話は別ですが。

成人矯正考えとして、

「その患者にプラークコントロールの徹底と食生活を完全にコントロールし、ナイトガードを必ず毎日したとしても、今のまま矯正治療なしでは感染か力の問題で口腔内の長期の安定は困難であるが、逆にその患者に矯正治療を行えば、清掃性が向上し、力に対する受け手のコントロールを行うことができ、その患者の口腔内は長期に安定できる」

としっかり診断できればいいのですが、なかなかそのように診断できず、

結局、咬合再構成の治療の中で矯正を併用するか、ほとんどは審美改善とからめて、ついでに炎症と力のコントロールもできるからという理由で成人矯正治療を勧めています。

患者が審美的に全く不満がない場合に、アンテリアガイダンスの付与のためだけに矯正して、後戻りで犬歯が離れたら、何のために矯正したかわからなくなります。

犬歯が離れたら、犬歯にコンポジットレジンを足して対応できるかもですが・・

虫歯リスクと歯周病リスクが低い患者に、炎症のコントロールのために矯正は必要ではないと考えますし、

虫歯リスクと歯周病リスクが高い患者に矯正治療を行うのは、とてもリスクが高いです。

力が弱く、力のリスクが低い患者に、力のコントロールのための矯正治療は必要ないと思いますし、

力のリスクが高い患者に矯正治療で歯を動かしながら、歯の位置をコントロールするのはリスクが高いと考えます。プロテクションスプリントも使えないですし。

結局、やはり、矯正をする理由を「審美改善」に頼ってしまいます。

「矯正したほうが、歯磨きしやすくなって、かみ合わせわも改善して、歯が長持ちすると思います。見た目も綺麗になりますし・・」

といった感じです。

まだまだ勉強して経験を重ねて診断力を高める必要を感じます。



今回、小児コースで勉強して、考えをまとめると、

小児矯正は、

理想のゴールに導いていけるわけではなく、悪い方へ向かっているのを軌道修正するのを目的としている。

小児期の第1期治療はアングル1級を目指す。
小児期は成長期なので、骨格の成長を期待できる。

反対咬合、顎の側方偏位、歯の異所萌出は早期に改善する。

他は、親御さんからの要望もあって矯正することが多い。

審美なのか、清掃性なのか、噛み合わせなのか、なんとなく歯並びが悪いのは良くないという親御さんの心配を解決してあげることができる。

1期治療で終わる患者もいるので、小児矯正をする意味はある。

小児矯正をしたために2期治療の矯正が非抜歯で済む場合もある。

叢生がある患者の1期治療を終了して、2期治療に移行するとき、1期治療のおかげで非抜歯の矯正治療で済むのであれば小児矯正の意義はある。
例え、2期治療で抜歯矯正にあんったとしても、1期治療で歯列を拡大しておくことは、エアウェイの確保にもつながる。

反対咬合は早期に改善したほうがいいが、下顎の成長とともにまた反対咬合になる場合もあり、小児矯正をやったほうがいい場合でも、後戻りも含めて、2期治療が必要になる可能性や、外科の可能性などの説明と同意を得ておくことが大切だと思いました。

大きな目線で小児矯正の勉強ができたことは自分のこれからの臨床にとって、大きな力になりました。

そして、今回の小児コースに参加して一番良かったことは、米澤歯科医院のスタッフの皆様と仲良くなれたことでした(^^)🎶

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