1本のみの歯のホワイトニング(ウォーキングブリーチ)blog

ウォーキングブリーチ(Walking Bleach) とは、

歯の神経(歯髄)を取った後の歯の変色に対して、歯を白くする薬剤(過酸化水素と過ホウ酸ナトリウムを混ぜた薬剤)を歯の中に入れ、変色した歯を白くする方法です。

「歯の内面から薬を作用させて一本に限局して行うホワイトニング」と言えます。

歯の中にホワイトニング剤を入れ蓋をして、数週間待ち、歯が白くなった段階で蓋を取り中の薬剤を除去して、最終的な蓋をします。

歯の中にホワイトニング剤を入れた状態で、歩き回りながらホワイトニングを行うことから”ウォーキングブリーチング”という名称が付いているそうです。

以前は、歯を白くする方法の中で唯一保険適用が可能でした。しかし、2006年度の保険改正によって保険適用外となりました。

ウォーキングブリーチの治療期間
約1ヶ月
(約1週間に1回薬剤を詰め替える必要があり、これを2~5回行います)

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ウォーキングブリーチを行う対象となる歯は、過去に神経を抜いてある歯(失活歯)で、それが原因で黒っぽく変色してしまっている歯です。

神経を取ると、血液の成分などが歯に染み出して黒く変色してしまいます。

まず、シェードガイドで現在の歯の色を把握しておきます。

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レントゲンで根管を確認し、根管治療を再度やり直しました。(写真はミラー像です)

リン酸で表面をエッチングします。

ホワイトニング剤(多くの場合、過酸化水素と過ホウ酸ナトリウムを混ぜた薬剤が用いられます)を和紙でくるみ

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歯の内部に入れます。

失活歯を歯の内部から漂白する理由としては、失活歯の黒い変色の原因が歯の内部からきているためです。

神経のある歯(生活歯)の場合の変色は主に外部からの着色が原因となっています。神経のない歯(失活歯)は内部からの変色なので、生活歯と同じアプローチ(外部からの漂白)をしても効果がほとんど現れません。

歯の構造は表面が硬いエナメル質、内側が神経に通じる穴(象牙細管)が無数に空いている象牙質に分かれています。

黒ずみは象牙質で起こっていることなので、エナメル質を漂白するホワイトニングで白く戻すことはできないということです。

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仮の蓋をします。

10日後に来院を伝えてその日は終了です。

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10日後の来院時。

少し白くなっているのがわかります。

シェードガイドにでも確認します。

再度、ホワイトニング材を入れ、仮の蓋をして、10日待ちました。

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患者様も十分満足の白さになりました。

初診のときと比べると一目瞭然です。

後戻りはあることを伝え、穴をファイバーポストとコンポジットレジンで修復し治療終了しました。

ウォーキングブリーチの利点

1、自分の天然の歯をあまり削らずにすむ

2、自分の歯の形をそのまま使える
3、セラミックを被せるよりも安価
4、歯の変色が透けて見えることによる歯茎(歯肉)の黒ずみもなくすことが可能。ただし、これは歯の変色が原因で歯茎まで変色しているときに限る
ウォーキングブリーチの欠点

1、白くならないときがある

2、色の後戻りが起こる
3、ホワイトニング材から発生したガスが歯の内部に溜まって仮封が取れてしまうときがある。
4、自分の歯の形が良くないと、最終的に被せ物が必要になる

ウォーキングブリーチの適応

1、神経がない歯であること

2、自分の歯の形が綺麗であること

3、自分の歯が多く残っていること。(残っている部分が少ない、もろくなっているなら、ブリーチして残しても歯が欠けてしまうおそれがあります。)

4、内部の変色であること(ステイン汚れや、虫歯での着色は対象外)

ウォーキングブリーチの適応外のときはセラミッククラウンをお勧めします。

別の患者様の症例

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